日本フィル 第657回東京定期演奏会

2014.01.25
東京都 : サントリーホール 大ホール
午後 2時開演(午後 1時開場)

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サン=サーンス:《糸杉と月桂樹》より「月桂樹」/ 大平健介[Org]
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番 / タチアナ・ヴァシリエヴァ[Vc]
サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》/ 大平健介[Org]

S席7000円 A席6000円 B席5000円 C席4000円(完売)P席3000円 
Ys(25歳以下、S席以外)席1500円

日本フィル・サービスセンター TEL.03-5378-5911

【道義より】

日本フィルは僕が日本で正式に定期演奏会にデビューしたオケだ。
28歳だった。
練習は確か・・・参宮橋の青少年センターの中だった。
殆どみんな僕より年上だった。

今は逆。
そして新日と分裂したばかりで、弦楽器がうまく、管楽器が心許なかった。
新日はその逆だった。
35年も前らしいがよく覚えている。

今新日フィルは墨田に、日本フィルは杉並にホールとフランチャイズしている。
まったく生き方の違う道を歩んできて今・・・・楽員さんはあまり違わない境遇にいる。


昨日と今日の演奏は、僕には長い間、間違ったアプローチで聴かされ続けて来たため、表面的で軽薄な作品とばかり感じられたサンサーンスの3番を、僕はちょっとした経験をきっかけに、「パリのオルガニストであった作曲家が19世紀末に書いた、ラテン的教会宗教文化の中で育まれた信仰心から生まれた作品」として提示できたと思う。
これって当たり前なことだが世界中の指揮者の演奏法からも、どこかに忘れられ続けていると気づいたのが、ベネズエラで聞いた、まだナマな、恰好がついていない、エルシステマの若者たちの練習を聞いたときに突然発見したこと。
ラテン系の聖マリア等への理性と感性が同居した血の匂いさえする神への賛歌の世界!神聖なカーニバル・・・とは言いすぎだろうが・・・・。

おかしなことに、今CDなどになっている彼らの本番の記録にはもうそれは失われている。
それはショスタコーヴィッチの5番などでも以前経験した事だ。
よく聞かされるのは、ただのバカ騒ぎにしか聞こえないフィナーレ!

だれでも、ある作品に満足できなかった場合、それが作品そのもののせいか、演奏者による間違ったアプローチによるものか判断するのは大変難しい。
しかし、作品が持っているエッセンスを失ったなら、どんなにプロフェッショナルで、整然とした演奏、どんなに音程、音色、リズムに迷いがない演奏でも、その演奏に感動することはない。

僕はない。してはいけないとさえ思う。


タチアーナ ヴァシェリエーヴァ・・・勇気ある自立の道を歩み続ける愛すべきロシア女!
素晴らしい演奏をしてくれた。

オーケストラも緊張と高揚の中に最高の遊び心を発見し、人間賛歌を切れ味のよい刃の上で踊った。


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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂
「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

Schedule

降福からの道 欲張り指揮者のエッセイ集
「僕の人生、音楽だけではないが、正面から指揮をやってきたらこれほどの発見があったことに驚いている!」

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ショスタコーヴィチ:交響曲 第7番 「レニングラード」

大阪フィルハーモニー交響楽団

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ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」

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チャイコフスキー:交響曲第4番
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大阪フィルハーモニー交響楽団