■第21回フロンテアニューイヤーコンサート
2014/02/01(土) 15:30開演(14:50開場)
千葉: 柏市民文化会館
ベートーヴェン : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61 / 郷古廉[Vn]
ベートーヴェン : 交響曲 第6番 ヘ長調 『田園』 op.68
三協フロンテア株式会社 管理本部 総務部 TEL: 04-7133-6666
かなり以前、僕はすみだトリフォニーホールの満杯のお客さんのに舞台から謝ったことがある。「僕は山の手、それも成城学園という世田谷のど真ん中に育ったせいか、下町蔑視みたいなところが(多分母親の無意識に発する言葉からの影響と思われるが)あって、隅田川を超えたら文化斫るところで、錦糸町にオーケストラの拠点なんぞ出来るわけがない!とか思っていて、小沢征爾さんなども相当反対したと聞いていたが・・・・とんでもない偏見でした。ごめんなさい!素晴らしい受け手側の在り方、愛すべき地元への住む人たちの愛情、そして懐の深い中小企業の方たちとのコラボレーションの喜びがある場所だろうか!」という内容だった。今日は、あの時の自分の中にあった固定観念が壊された時の驚きにも匹敵する大きな発見を与えられた日だった。
なんと少し前まで(50年前って最近です)北柏駅からそそり立つように見えていたという柏市民会館・・・・椅子もお隣と体がぶつかるサイズ、音も残響などというものは考えられてもいない、僕の楽屋は擦り切れた2畳部屋で窓もなく1分以上は居られない有様。それなのに!!!お客さんは満席でそれも相当集中力のある人達ばかりと感じられたし・・・何より21年間スポンサーを続けてこられた≪三協フロンティア≫とはいかなる企業なのか?いかなる社長さんがやってこられたのか!実は詳しくないのだが、敬服する。それは僕がそこで音楽会ができたからと言うような問題では全くない。
タダでお客さんを呼ぶことは日本でも今では多くの企業がやることだが、時に、入り口近くで黒服の背広集団がご挨拶ばかりしてしまうという、悪気は毛頭ないが野暮なコンサート会場の空気を作ることもある。だからこの会社のようにまったく抽選での切符の市民中心へのさばきを!!21年間!! やり続けるという忍耐と、深いこだわりの継続に敬服するのだ。今日も新日本フィルはこのような空気の中で自然と伸びやかに音楽を謳歌したと思う。20歳の郷古廉君もベートーベンのヴァイオリンコンチェルトを真っ直ぐに演奏した。これもほんとに素晴らしいこと!すっきりとした1日。
昨日と同じプログラムだが、大いに環境は違った。ここで井上はなんだかんだ書く任にはないから特に文にはしないが、世の中は常に変化するのだなという感慨を強く強く感じた日であった。だからこそベートーベンの田園やバイオリンコンチェルトだって世界中で何回でも演奏するのだな。まるで竜安寺に行くといつも変化してみえるあの石の庭と逆さまの意味で同じだ。郷古君今日も素晴らしかった。ブゾーニのカデンツア、自作のカデンツア、クライスラーのとの合体などもよかった。新日フィルメンバーは昨日も今日も田園では僕のリクエストにトランペット、ピッコロ、トロンボーン、ティンパニー、気持ちよく動いてくれてお客さんには新鮮さを届けてくれたと思う。ありがとう。
堤さんと何かをやれという話からこのコンサートが少しづつ型作られました。剛さんは、桐朋時代にはすでに斉藤秀雄門下の中で最高の位置にいた方。50年たってこのような形での共演は・・・・本気で夢のようなこと。その間にはいろんなことが横たわり、筆舌に表しがたい。それだけで興味深いエッセイになると思う。
またサンチョパンサを美しく、聞いたことのないような音量で楽しげにたくさんのアイディアを付加して奏でてくれたのはアンサンブル金沢の特別ヴィオラ首席で、ロシア生まれのグリシンさん。彼はギドンクレマー(僕と同い年で、何度も共演し刺激的だった!)のバルティカアンサンブルの出身。このような形で一生忘れがたいドンキホーテが出来上がった。
パックオケがなぜか以前とは全く次元の違う充実ぶりで佐渡監督、マネージメントの林、横堀もちろん井戸知事をはじめとし、沢山の人の長年の積み重ねの結果がここに花開いた。
また、サティーのパラードでは水音や酒ビンの音などを含め、最高の音のプレゼントとしてお客さんに届けるために働いたステージマネージャー生田君や楽譜係の加藤さん達のプロ中のプロの積極性が満員のお客さんを「?から!へ」と導いた。
アルルの女も第一組曲をあえて含めたもので正攻法でしたよ。
今回はあのあたりの乾いた風土をしっかり音にしようと特に時間をかけたことが、これまた本当に物のわかった一人のお客さんからの感想として僕に届いたことは無上の喜びだった。
・・・・・てへへすごく疲れて耳石が動いてめまいが止まらないけど。
目まい...のまんま、めくるめく伊福部さんの大きな身振りの作品のオマージュコンサートに飛び込んだ。
77才の少女、安倍圭子さんは世界に何千人ものお弟子さんがいる素晴らしいマリンバの権化。
今回は素敵なアイヌ風衣装での名演。春一番に咲いたミモザを切ってお渡ししました。
日本組曲は以前僕が初演したらしいが、実はそのことはずっと後で知ったこと・・・というか若いころ書いたピアノの曲を伊福部さんが編曲して持ってきたから演奏したことを「初演した」というのは大げさなんじゃないかな?と今でも思っている。
とはいえこういうスタイルの音楽を日本フィルは血肉として自然と演奏していて気持ち良かった。確か30年ほど前にこれをやった時はどこか恥ずかしい感じが僕にも演奏者側にもあったと思うが、あれは「洗練への憧れ」を強いられていたクラシックの西洋崇拝のなせる技なのか?または京都などの文化に含まれる「洗練、単純化、わびさびへの上昇志向」みたいな傾向のなせる結果だったのか・・・・・?今は伊福部さんによみがわっていただき、7年後のオリンピックに何か書いてほしいと思うほどだ。
今や日本中どこにも足が泥まみれになる道もないのに「土足厳禁」とか書かれ、靴を脱いで家に入る型ばかりが残った「日本文化」をゴジラが揺るがす。
ドシラ,ドシラ、ドシラとラヴェル。わかる?
市川昆さんや本多猪四朗監督の家のすぐ近くに育ち、家族ぐるみでいろいろな時を過ごした人が実は「偉い人」だったと後で知る、いうのは不思議な感じ。子供のころから情操?とかに影響があったとは思えないけど・・・・。それにしてもビルマの竪琴の音楽の単純な...静かな内面の平和は伊福部さんは何故書けたのだろう?振っていても本当に感動する。
テレビでクラシック、それもオーケストラ音楽がそのまま伝わるかというと・・・・それは無理と言い切る。
【NHK/Eテレ】クラシック音楽館 / N響 第1849回 定期公演
一杯のお客さんに囲まれた昨日は、本当の意味で正直に、大フィルの持つものすべてが表現された音楽会だった。
大阪フィル《創立70周年記念》第50回東京定期演奏会
今日はさらにいい演奏になる と思うのが人間の原点。でも良い演奏という基準はなんだ?
N響 第1849回 定期公演 Cプログラム
一杯のお客さんに囲まれた昨日は、本当の意味で正直に、大フィルの持つものすべてが表現された音楽会だった。
大阪フィル《創立70周年記念》第50回東京定期演奏会
武満さんは、作曲家。死んだ後も続く強く存在!そう再確認した一日だった。
新日本フィル #568 ジェイド≪サントリーホール・シリーズ≫
2023年12月 3
2023年11月 1
2023年10月 3
2023年9月 1
2023年8月 3
2023年7月 2
2023年6月 5
2023年5月 5
2023年4月 2
2023年3月 3
2023年2月 1
2023年1月 3
2022年12月 7
2022年11月 3
2022年10月 1
2022年9月 3
2022年7月 4
2022年6月 1
2022年5月 6
2022年4月 3
2022年3月 6
2022年2月 5
2022年1月 5
2021年12月 4
2021年11月 5
2021年10月 4
2021年9月 3
2021年8月 2
2021年7月 5
2021年6月 6
2021年5月 3
2021年4月 2
2021年3月 5
2021年2月 3
2021年1月 3
2020年12月 5
2020年11月 3
2020年10月 4
2020年9月 2
2020年8月 2
2020年7月 4
2020年6月 2
2020年4月 3
2020年3月 5
2020年2月 1
2020年1月 2
2019年12月 3
2019年11月 4
2019年10月 2
2019年9月 3
2019年8月 2
2019年7月 5
2019年6月 5
2019年5月 5
2019年4月 4
2019年3月 5
2019年2月 4
2019年1月 3
2018年12月 6
2018年11月 3
2018年10月 4
2018年9月 4
2018年8月 1
2018年7月 1
2018年6月 3
2018年5月 5
2018年4月 4
2018年3月 8
2018年2月 12
2018年1月 6
2017年12月 11
2017年11月 4
2017年10月 6
2017年9月 9
2017年7月 6
2017年6月 4
2017年5月 7
2017年4月 2
2017年3月 4
2017年2月 4
2017年1月 2
2016年12月 6
2016年11月 8
2016年10月 1
2016年9月 2
2016年8月 3
2016年7月 8
2016年6月 4
2016年5月 8
2016年4月 5
2016年3月 4
2016年2月 5
2016年1月 5
2015年12月 8
2015年11月 5
2015年10月 6
2015年9月 11
2015年8月 2
2015年7月 3
2015年6月 8
2015年5月 5
2015年4月 6
2015年3月 8
2015年2月 2
2015年1月 8
2014年12月 1
2014年11月 4
2014年10月 4
2014年9月 4
2014年7月 1
2014年6月 1
2014年5月 1
2014年4月 10
2014年3月 4
2014年2月 1
2014年1月 6
2013年12月 1
2013年11月 2
2013年10月 1
2013年9月 1
2013年7月 1
2013年6月 1
2013年5月 1
2013年4月 2
2013年3月 2
2013年2月 1
2013年1月 1
2012年12月 1
2012年11月 1
2012年10月 1
2012年9月 1
2012年8月 1
2012年7月 1
2012年6月 1
2012年5月 1
2012年4月 1
2012年3月 1
2012年2月 1
2012年1月 1
2011年12月 1
2011年11月 1
2011年10月 1
2011年9月 1
2011年8月 1
2011年7月 1
2011年6月 1
2011年5月 1
2011年4月 1
2011年3月 1
2011年2月 1
2011年1月 1
2010年12月 2
2010年11月 9
2010年10月 3
2010年9月 12
2010年8月 2
2010年7月 3
2010年6月 3
2010年5月 8
2010年4月 6
2010年3月 5
2010年2月 2
2007年12月 6
2007年11月 8
2007年10月 4
2007年9月 8
2007年8月 2
2007年7月 4
2007年6月 2
2007年5月 4
2007年4月 1
2007年3月 3
2007年2月 2
2007年1月 3