道義より近況報告 *2014年7月7日

2014.07.07

今まで何度か入院をしたが今回ほど、長く、苦しく、重層的に問題が僕の体と精神を覆い尽くしたことはなかった。しかしもう数日でいわゆる「治療」は終わる。毎回病院の地下で上半身を動かすことが出来ないように作られた患者一人一人別な網の仮面で固定され、ターゲットを定めた放射線の照射は一日数分。それが週5回。土日は、身体自体が放射線に負けず蘇るために、しかし再生能力のない癌細胞は死滅するのを待つために、使われる。まるで人々の活動の周期に合わせたように。その術中は咳は禁物!それが僕の場合は毎回大変難しかった。

口の中が照射で焼けて口内炎に当然なるので院内の歯科はそれらをケアーする。なぜか女性ばかりの医師は薄いピンクとブルーの薄いカバーを施術服の上に纏い、口内でのう動きは優しく普通の街の歯医者さんがみな真似をして欲しいほど、細心の注意を持ったタッチ。そりゃそうだろう来るお客さん?が皆ほとんど重篤な病を抱えている人たちで、口もロクに開かない、痛みも抱えている人たちだから。
歯医者は昔からなぜ耳鼻咽喉科と隣り合わせで治療をしないのだろうかと強い疑問に感じてきたし、歯科は健康保険が効かない部分も多かったりする。明らかに体に毒な「銀歯」には保険が効き、なぜか値段が高いセラミックの歯は保険が効かないのなんて犯罪的とも感じている。

今僕は多分一番惨めな時期だ。体重は落ち、首は亀のように中身がなくなっている。誰にも会いたくない。

これからどうやって元の自分?を取り戻し、どんな人生を新たに構築したいのかもう一度考えなおし、神が与えた?試練をどのように捉えるか・・・・。
人々は優しく振舞うかもしれない。でも芸術はそんなものではないことを知っている。
頂いた励ましの言葉に「人生の中の一休み」とか「ゆっくりとなさって」があったが少なくともここまでは全くそんなものではなかった。何かを考えることさえできない真に苦しい毎日だった。何故なんですか?ああでももっとひどい症状の人たちがいるんだ。なぜなんですか・・・。

2014・7/7


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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂
「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

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降福からの道 欲張り指揮者のエッセイ集
「僕の人生、音楽だけではないが、正面から指揮をやってきたらこれほどの発見があったことに驚いている!」

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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂

「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

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ショスタコーヴィチ:交響曲 第7番 「レニングラード」

大阪フィルハーモニー交響楽団

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ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」

大阪フィルハーモニー交響楽団

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チャイコフスキー:交響曲第4番
ショスタコーヴィチ:ロシアとキルギスの主題による序曲

大阪フィルハーモニー交響楽団