SCHOSTAKOWITSCH 12

2017.10.02
MENDELSSOHN-SAAL
午後 8時開演

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ベートーヴェン : 序曲「コリオラン」ハ短調 Op.62
W.A.モーツァルト : 2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K365(K316a)
 /児玉麻里&児玉桃
ショスタコーヴィチ : 交響曲第12番 ニ短調 Op.112 «1917年»

19:00~ スタートーク

Düsseldorfer Symphoniker

【道義より】

Dusseldorfに1週間行ってきた。
夜中に出る便が羽田からあり、次の朝着いて、2時間後には練習だったが、これは
意外と大丈夫だった。最近は殆ど外国のオケとやっていなかったから、(その理由には
実は色んな原因があり、どこかでまとめて書いても良いと思うが、僕自身はそれに
不満は持っていない)一か所での3回のコンサートだけだったがショスタコーヴィチ
(12番)とモーツァルトの2台のためのピアノコンチェルト、
それにコリオラン序曲(モーツアルトと同じ小さい編成で)というものであったから、
重くない腰を上げた(重くないが筋肉はフニャフニャカチカチでカラカラの喉)。
一言で言って、行ってよかった!
オケが積極的に音楽にかかわる姿勢が強く、斜め目線、上から目線、後ろ向き目線
の人間は2人ぐらい。練習で良い意見交換が出来る充分な時間もあった。
とは言え事件はあった。
1日目は十分に練習し次の朝「・・・・bad news・・・」とオーケストラマネージャー
がやってきた。
首席コンサートマスターが左親指が居たくて弾けないと言ってきて1か月休むと・・・。
世の中こういう事には時々、裏があるもので、色々聞いたが,この若い真面目な
ルーマニア人(僕はルーマニアが好き)は本当に痛いのだと判断した。
すぐにでも他のオーケストラから優秀な人を呼ぶ、と言われたが、僕はそれを拒否した。
その理由はあまり書かないが、結局はそれがその後の結果に良い結果をもたらした。
我ながらさすがジジイだなと思った。
さて、
このコンサートはロシア革命100年記念というくくりで、1917年の
第二ロシア革命を思い返して見ようという、なかなかなVISIONが有る物であった。
コンサートの前には、インテンダント(事務局長)がしっかりとした内容で作品の
道案内を1日目はフォワイエで、2日目3日目は舞台から、やっていた。
格好も良い人だが、出来る人物と色々な場面で感じた。勿論僕自身が専門家の一柳氏と
15年前に発見した今では世界定説となっている「スターリンモチーフ」
の話も交えてね...エッヘン。
(オーケストラのこのポジションはオーケストラのすべてを一瞬で表現すると非常に
大事な立場だ。日本では高給で迎えることがあまりない・・・・・間違っている!)
ホールは真ん丸で僕自身は3回目だが、ショスタコーヴィッチには向かない。
彼の音楽は客と奏者が向かい合うシューボックス型が良い。日比谷が一番だが・・・
しかし、もとは世界最大のプラネタリウムだったというトーンハレの音量は
溢れんばかり。練習の時は楽員達には耳栓の人がかなりいた!!フフフ。
しかしこの曲の根幹は音量ではなく、連続性と、緊張感と物語性だ。オペラ公演も
同時にこなすこのオケの組織は、少なくとも今回は一つの方向にまとまり、前半は
小さな編成での歯切れのよいコリオランから児玉姉妹の2台のピアノによるコンチェルト
(これもなかなか一筋縄では、面白くもなんともない演奏になるムズカシイ作品)
へとつながってくれた。
オーボエやファゴット、ホルンも安定している。三日目は本当に音楽的な演奏となった。

幸い、天気がとてもよく公園を通っての練習と本番以外、することもなくアルテシュタット
散歩ぐらいで終わったが・・・・これで良いのかも。
20代30代40代の頃のヨーロッパでの演奏の時は、狂ったように街の名所旧跡を
歩き回りヘトヘトになって帰り、若いから知らない曲ばかりなのにホテルで勉強するも
すぐぶっ倒れて寝ちまうみたいな主客転倒した毎日だったかなと...・思い返したが
・・・・良く思い返すと意外とそうでもなかったな、部屋で楽譜とにらめっこが続き、
ヨーロッパの暗く寒い冬がシーズンのクラシック音楽、体には全然よくなかった。

ああ・・・でも・・・楽団内も町でも・・・美人ばかり探していた...反省?するが。


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「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

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