第22回京都の秋音楽祭《開会記念コンサート》

2018.09.16
京都コンサートホール
午後 2時開演

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ホルスト : 組曲《惑星》op.32
ショスタコーヴィチ : 交響曲 第12番 ニ短調 op.112《1917年》

京都市交響楽団

チケット: 2000円
演奏会お問い合わせ先: 京都コンサートホール TEL:075-711-3231

【道義より】

ジジイの僕に古巣というのがあるとすると・・・・はじめは都響。1年間の副指揮者、
短かったしそのころは駆け出しだった。それからどーんと空いて日フィル、
そのあとが深い関係の新日フィル。そして今日振った京都とは8年続いた。
コンマスの工藤千博さんに誘われフランス中心に振っていたのを
「昔修学旅行で痺れた古都の幻影」にフラフラとなり「日本の中の日本」で
欧州のクラシックでどっぷり漬かろうと、無理やり入籍!?
・・・・・8年経って無理やり離婚させられた印象で終わった関係だったが、
今回そのころの思い出深い曲を2曲ならべさせていただいての無理やりの
パワハラ的プロ。
ソリストなんか要らない!と充分の練習を経てのコンサートは俺のガン克服の象徴
だったかも。今ニュースで樹木希林さんが亡くなったと知った。

惑星は、京響監督になった記念のコンサートで、28年前。12番は26年前に、
何をやっても鳴らないし、お客さんも来なかった旧京都会館での定期演奏会、
どうせ来ないなら・・・・公立オケでしかできない冒険的な企画をとショスタコーヴィッチ
を始め、そのあとプラハの春音楽祭に持っていけた因縁の曲。多くのそのころのメンバーは
すでに惑星ならぬ星空行ってしまった。
今、すっかり上手くなった京響は、以前とはスケールの違う演奏。
京都の秋音楽祭にふさわしい、ミーちゃんハ-ちゃん向きでないプログラムを
体を張って鳴らし終えた、と思う。音楽「祭」は日常ではないから。

音響的には京都会館よりは10倍良い響きだが、音響で満たすことが未だに難しい
北山のコンサートホールを、文字通り宇宙に広がる神の恩寵?!で余すところなく
埋め尽くしたし、革命のない日本で革命の音楽という超偽物のアーティフィシャルな
「音の物語」として醸し出してくれたと思う。
大フィルやN響でも(海外でもだけど)振ってきた此の名曲、そう!これが名曲として
世界に存在する場所を作ったのが京都との1992年の試みから広がったと自負している。
(誇大妄想は指揮者は得意)

ぶらっと歩いた街中で10分の間に3人の人たちが声をかけてくれたのは、京都の
懐かな?正直嬉しい事でした。
観光の古都京都・・・・お寺と神社のでなく住む人たちが現在の生活を誇れる、
真の文化都市 京都であって欲しい。


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「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

Schedule

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