大阪音楽大学 第61回 定期演奏会

2018.12.08
大阪府 : ザ・シンフォニーホール
午後 6時開演

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D.ショスタコーヴィチ:祝典序曲 op.96
S.プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 op.19
 /漆原朝子[vn](大阪音楽大学特任教授)
D.ショスタコーヴィチ:交響曲 第10番 ホ短調 op.93

チケット: 一般 3,000円 高校生以下 1,000円
演奏会お問い合わせ先: 大阪音楽大学 コンサート・センター TEL.06-6334-2242

【道義より】

明日演奏するショスタコーヴィッチ10番を長年の尊敬するチェリストで僕とロシア、
ザンクト・ペテルブルグ、20代の時に指揮をして強い印象を持ったオーケストラ
と、もう一度結び付けてくれたレオナルド、グルチン氏に捧げます。
群響で長く演奏を行い、日本語も立派でしたが、愛情もいっぱいな方でした。
........と書いたのは昨日の本番前。良いものを捧げることが出来た。

祝典序曲は今や超有名曲だが、僕が学生の頃は全くの無名曲だったのだから驚く。
体制に迎合した曲とか、そんなことよく書く人がいるが!
ドミトリーショスタコーヴィチは全く迎合していない。森の歌にしろ、
交響曲第5番にしろ、ベートーベンが第九を書いたのと同じで判り易さを
狙っているだけだ。
しかし10番は全く違う。ベートーベンで例えれば第五番と等しく、彼のエゴの表出が
臆面もなく行われて、恥ずかしいほどだ。(俺が書くと不自然だが)マーラーだって、
ワーグナーだって、その芸術の源泉は、彼の身の回りの出来事から生まれている。
今日うら若き1番ホルンが立派に吹き切った3楽章のソロパートは彼の恋人そのもの。
しかし、女性という存在は、ドミトリーにとっては究極の救済とはなりえなかった
ことも音楽化されている。
続くイングリッシュホルンは、ドミトリー自身の音型が半音ズラされた女性化
された?音型。そこに強く描きたかったのは終楽章で執拗に、最後にはティンパニー
が叫ぶように叩くレミドシ、レミドシ、re,mi,do,si.DSCH。
すなわち彼自身の名前のアルファベット。命の刻印。
彼は取り巻いていた現実のすべて、ロシアの長い冬、民衆革命の後の社会主義の
平等という理想の中での、監視社会の暗い世相をも描いたが、途切れることなく
その中で愛し育てたもの、それこそ命の証=自らの天賦の才能の刻印。
コンサートマスター(俺はミストレスと書くのが嫌だ)が孤独そのもののように
切れ切れに(ドキドキしながら!?)弾いたのも、半音ズレたアルファベットテーマ。
この作品は、指揮者にとって音楽が停滞しないように長丁場を構築することが難しい。
今回、右も左も判らなかった若い人たちと、その頃の年の記憶が今でも鮮明な
50年後の道義、ともども、よく頑張ったと思う。
何時までもフラフラな僕の前進へのニンジンはチェロのトップ奏者の美しい彫刻の
ような肩の曲線だ。スパシーバ!harasho-。

シンフォニーホール!目の前に大きな50階建てのマンション建設が始まった。
プラザホテルが有った頃の賑わいが少しは取り戻されることを期待する。


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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂
「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

Schedule

降福からの道 欲張り指揮者のエッセイ集
「僕の人生、音楽だけではないが、正面から指揮をやってきたらこれほどの発見があったことに驚いている!」

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ショスタコーヴィチ:交響曲 第7番 「レニングラード」

大阪フィルハーモニー交響楽団

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ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」

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チャイコフスキー:交響曲第4番
ショスタコーヴィチ:ロシアとキルギスの主題による序曲

大阪フィルハーモニー交響楽団