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●関連記事:
https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-49809699
https://colleghi.blog.ss-blog.jp/2019-09-08
https://ameblo.jp/peraperaopera/entry-12530349938.html
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僕は指揮者で(演出もやるが)他者の音楽会に観客として行って、その感想、批評、
批判などを文章で公にすることはその任ではなく、極力、慎んできました。
しかし9月18日、東京文化会館でのグノー、ファウストを観て、我慢が出来なくなり
書くことにしました。
...下記。
という文をこのブログページに書いた直後、神奈川県民ホールでの公演に、ファウスト
役のヴィットリオ・グリゴーロが降板(体調不良との理由)したことを知り驚きました。
https://www.nbs.or.jp/publish/news/2019/09/post-810.html
東京で彼は絶好調でしたから。その後ロンドン在住の旧友からこんな記事が出ていたと
連絡があり(THE TELEGRAPH)二度驚いたのです。
{Opera star investigated by Royal Opera House for Groping colleague admitted
I'm a sex addict}という見出しで始まっています。彼はロイヤルオペラの都合で
降ろされた!のだった。一部転載します 。
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Telegraph News
Opera star investigated by Royal Opera House for groping colleague admitted
'I'm a sex addict'
A singing sensation suspended by the Royal Opera House for allegedly
groping another singer onstage had previously admitted he was a sex addict
driven by the need for love and one night stands.
Vittorio Grigolo, an Italian singer once compared to Pavarotti, is being
investigated by Covent Garden's ROH after reportedly grabbing a female
member of the chorus in a sexual manner, despite colleagues urging him to stop.
The 42-year-old is accused of having groped his colleague on stage,
in front of the audience, during the curtain call at the end of
a performance of Faust in Japan last Wednesday.
Grigolo - nicknamed Il Pavarottino after performing with Pavarotti aged 13
- was the star of a two-week tour of the country by the ROH.
But he was immediately dropped from the role after the allegation was
made about the incident and replaced by Georgy Vasiliev for the final
performance in Yokohama on Sunday night.
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記事は続きますが切ります。
僕は彼に今年モスクワで新しい『ブラヴォー賞』というのを受賞(テオドール
クルレンティスに続き指揮者では2人目で外人では初めて)した時に式場と楽屋で出会い、
なぜか気があって、写真を撮り合ったりしたのでその勢いもあって彼が主役ファウスト
なら素晴らしいだろう楽しみにして行った。
指揮のパパーノとオペラハウスのオーケストラは、堅実に健闘していた。
しかし舞台では、グリゴーロだけが、ただ一人劇場に今日生きて、ドラマの人物を
今、生きようとしていたから、行ってよかった。
・・・・のだが、他の歌手たち、群衆、バレエ(あのロイヤルバレエ!なのに)、
舞台美術、衣装、照明、等は、皆、いったいどういう考えであそこ迄「お仕事」風に
なってしまうのかと唖然とした公演だった。
日本側制作の字幕も(日本での原語公演では大変重要なのだが)数人の歌が交錯する
場面では、どれが誰の歌の訳なのか不明だったり、それぞれのソロ人物の個性あるべき
言葉使いが平板な訳でしかなかったとか)問題は有った。
観客はブラヴォーの嵐を表現していたのだが、高い切符のもとを取ろうというような
自虐的な拍手にさえ感じられた。
2004年初演だったというデヴィッド・マックレガーの演出と、チャールズ・
エドワーズの装置は古色蒼然たる「オペラとはこういうものさ」という
鼻持ちならない部分と対照的に、最近(2002年)はやりのゾンビやロンドンウエスト
エンド風キャバレー風場面を入れ込み、キリスト像が倒れるロイドウェッバー風な
演出も入れ、ついでにひどく悪趣味な(グノーの音楽にはないのにかかわらず)
キリスト像から流れ出る血を舐める部分では、悪魔役として上半身裸で綺麗な体をした
でも猿のような振り付けの男達を詰め込み、裸足でのアダンのバレエ、ジゼル風
コールドバレエをを踊るのはなぜか背の高さも不揃いなバレリーナたち。
彼らがボールが入っていることがまるわかりな妊婦衣装のマルゲリータ役のダンサー
に対して、アメリカ合衆国では上演不能なほど差別的に体の大きな黒人男性ダンサー
と共に、奇声罵声を浴びせる。ドウダ!こういうのお客さーん、ホントは好きなんだろ!
という態度が丸見え。
そんな徹底的に下品なワルプルギスの夜の部分の演出では性行為そのままの
踊りとも言えない振り付けも。
血を舐める悪魔?イヤイヤ演出家は観客を舐めたのではないか?
まあそれも演出だ、自由にやればよいが、呆れたのが、悪魔メフィストは(歌はうまい)
に、全く悪魔的で下級官僚のような立ち居振る舞いで動き回る。わざと?なのか不明。
愛し合うファウストに目を合わせようとしないマルガレーテ役のソプラノは、
歌もそこそこ。妊娠する前からお腹の大きく見える衣装。これもわざとか?
特に有名な短いが効果的なはずの2幕で、ファウストとの運命的な出会いをした後、
ファウスト、グリゴーロが彼女の印象を歌い上げる前に、ただただ、
「ここで引っ込んでください」と言われたように、上手に(じょうずとは
読まない)なぜか急いで、いなくなる合理性のかけらもない舞台。ええ?ワザと?
まさかです。でなければ再演演出家の監督責任だ。
ファウストをフったのか、無視したのか、引っ込み思案の娘を見せようとしたからか、
さっぱり不明。あれではまるでファウストは小学生の初恋の思い込みだったか、
とばかりに、さっと消えるのだ。フッと消えるならまだわかるんだが(冗談です)
後半では愛しあったファウストとの間に出来た赤子を何故殺してしまったのか客に
何も情報もなく苦しみ悶えるマルガレーテの演技はなぜ?オペラだから?
その上、生まれたて赤ん坊の棺としては異常に大きな棺が、3幕では中華鍋みたいな
宝石箱が置かれていた(プロンプボックスの上なんだが)場所に、何の状況設定もなく
無造作に置かれる・・・とか・・学芸会。
投獄された牢屋はまるで焼き肉用の網のような拙い格子壁が、明るい照明の中、
上から降りてくる、そこにはバイタらしき女達が数人、中をメリーゴーラウンドの
ように茫然と走馬灯(この概念は西欧にはないが)のごとくぐるぐる歩き廻っている。
月明りの下・・と歌っている場面では、パリの貧民街の3階だけ明かりが巨大。
家の中から漏れるその街明りの中に・・・2メートル幅の星のピカピカ達が光りながら
ふわっと降りてくるという陳腐さ。オペラとはそんなもんさ~~~はここにも。
兄のヴァランタインも良い役なのにゾンビだってやらせる。これもきっと流行の有効活用
ズボン役のジベールはビッコをひいているが、何のコンプレックスも見せない存在の表現。
ならばなぜ足をひきずる必要があるんだろう。そして男役なのに女性的な歌い方はなぜか。
照明は今回、ほとんど何もやっていなくて、ただただスポットピンがソロ歌手たちを追う
のみというコショウソウゼン。
何度もスモークがモクモクと出るのもただ光の線を見せたいだけなのだろう。
超有名なワルツやワルプルギスの場面、パパーノ氏はスコアから全く目を上げないのは
きっと舞台を見たくないのだろう。ソリストとの場面ではしっかりコンタクトがあるのに。
さて一番批判したいのはこの後なのだ。
合唱!合唱団の群衆の中の人間としての歌手の在り方。
男達が歌うときの女達はただそこにいて何もしないし、女達が歌っているときの男達は、
邪魔しないでそこに居るだけ。
全員が動き出すときは何故動き出すのかまったく理由もなく演出家にそう言われたから、
ハイ動きますだけなそれ。
そこにだれも自分の今を投影しようともしていない悪い意味の雇われ労働者魂の歌い手、
オペラは前を向いて歌うときだけが大事なのか?。
年に160公演以上する忙しすぎるシンフォニーオーケストラメンバーのように、
幕が降りてからのアプローズでは、ニコリともしないでソリストたちの後ろに居るだけ。
「今日は何を食べようかなあ」と思っている人たち集団に見える合唱団員。
彼らはこのプロダクションが嫌なのだろうか?それならすべては腑に落ちるのだが。
日本で雇われた子役たちはロンドンから子役を連れてくるのは、親御さんたちが反対
したのか,地震があるから怖いのか、教育委員会に止められたのか、、、悪い冗談です。
いやきっと高く付くからなんだろう...そこだけ東洋の子供で彼らもしっかり仕事をこなす
「良く出来る子役」たちの目立つこと目立つこと。
子役というのは大人と違う存在だから舞台に立つ必要があるのに日本の子供として
{立派に}そこにいた。
このような事を井上ジジイが書かなければならなくなるくらいオペラっは終わっているの
だろうか?
それとも運悪くこのマチネーが文化会館での3回目だったので、すっかり飽きていたの
だろうか?それなら3日目は値段を半分以下に下げてくれ。佐々木さん亡き後のNBSさん、
冗談じゃない。その上、グリゴーロの件も彼に嘘をつかす発表方法。嘘も方便か。
日本では公演の批評とかはすぐ出ないから、お仕事な態度にかけては今日の公演内容と
同じ。お客さん達!元を取るような拍手ってするわけ?それともそうか、何となくみんな
外人で衣装とかもハマっていたからそれでいいか...確かにそれはそう。
そう!笑える!
偶然だが僕が観たあの日、グリゴーロはアプローズの時、真後ろに居たお腹にボールが
入っているダンサーのお腹をちょこっと触った。それもお客さんに見せるように。
ひいきだからでなく彼はブスッと白けた顔で拍手を受けていたコーラスたちに
「さあお客さんに、ありがとうと言う態度見せようよ、阿鼻叫喚な衣装をつけている
けれど、みんな作り物だったさあ!皆さんまた来てね!
という風に盛り上げたかったと見えた。
生粋なイタリアテノール風に。
そのダンサーも微笑んでいたのに誰か後ろの人が「STOP IT」と言ったそうだ。
そんな態度全体そんな空気にで一杯だったその日の沈滞したファウスト公演に
彼は直観的に気が付いていたのだろう。
今世の中にはスターリンもヒットラーもチャウセスクもいない。日本人収容所を
作ったルーズベルトも朝鮮人を差別しまくった両親時代の日本人ももう少ない。
だが街には、便利なグーグルマップ、安全のための監視カメラ、事故が起こった時のため
の車載カメラ、誰が歩いているかさえ見える空からの衛星写真で、息苦しい社会になって
きている。そんな中、舞台芸術やすべてのアートは人間性の発露を自由の表現できる
砦でなければ、存在価値はない。
年中多くの人を相手に表現を試み続けている指揮者としても今回の誤解のある
セクハラ報道はほっておけない。グリゴーロの今回の報道の見出しも元記事には
レポーターが「貴方にとってセックスとは?」と、ありがちな質問に
「私の名前はヴィットリオ、だからセックス狂かもね~」と軽くふざけたものが
独り歩きしている。ヴィットリオはイタリアではだれもが知る
ヴィットリオ・エマヌエレ2世、8人の子供と沢山の妾さんが居たという、
フランスの太陽王ルイ14世のような人と同じ名前だから、という意味なのにね。
まったく!!
終わって楽屋でどんなに彼が悔しがっていたか。確かに「大人しくはない」人物だ。僕もだ...
テレビでクラシック、それもオーケストラ音楽がそのまま伝わるかというと・・・・それは無理と言い切る。
【NHK/Eテレ】クラシック音楽館 / N響 第1849回 定期公演
一杯のお客さんに囲まれた昨日は、本当の意味で正直に、大フィルの持つものすべてが表現された音楽会だった。
大阪フィル《創立70周年記念》第50回東京定期演奏会
今日はさらにいい演奏になる と思うのが人間の原点。でも良い演奏という基準はなんだ?
N響 第1849回 定期公演 Cプログラム
一杯のお客さんに囲まれた昨日は、本当の意味で正直に、大フィルの持つものすべてが表現された音楽会だった。
大阪フィル《創立70周年記念》第50回東京定期演奏会
武満さんは、作曲家。死んだ後も続く強く存在!そう再確認した一日だった。
新日本フィル #568 ジェイド≪サントリーホール・シリーズ≫
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