大阪フィル≪平日午後の名曲セレクション≫マチネ・シンフォニーVol.27

2022.05.10
大阪府 : ザ・シンフォニーホール
午後 2時開演

ガーシュウィン : パリのアメリカ人
コープランド : クラリネット協奏曲/ダニエル・オッテンザマー[Cl]
大栗裕 : 大阪俗謡による幻想曲
伊福部昭 : 日本組曲より "盆踊""演伶""佞武多"

大阪フィルハーモニー交響楽団

チケット: A席:5,100円 B席:3,100円 ※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
演奏会お問い合わせ先: 大阪フィル・チケットセンター TEL:06-6656-4890

【道義より】

今、10日コンサート後の新幹線で帰宅中書いたブログ文が見えないと今知った。
新幹線のWi-Fiは性能がダメなのかね?まったく!毎回だが文は終わってまだ鉄の
熱いうちに書いていて、今から4日も「昔」のコンサートのことは4か月前の事
に等しい。日本の新聞音楽批評じゃあるまいし。
膝上のパソコンが疲れた手のクリックを跳ね返したのか!又は天の声が「ちゃんと
歯に衣を着せてから書け!プライベートなことではないのだから」と、僕に諭した
のか?まさか!何とか記憶にとどめてある文の記憶を掘り起こしながらもう一度
書こうと思う。


今回のコンサートの通奏低音は  「独学と人の繋がり」  でした。
G・ガーシューインはユダヤ系アメリカ人でほとんど独学。38歳で亡くなったとはいえ
大きな影響を後世に残した。「パリのアメリカ人」は戦後、映画にもされたが基は、
彼独自の創造物で、俺の育ての父親の世代。若いガーシュインが憧れて行ったパリの
車の警笛がNYと違って旧式の手でゴムボールをツブして音を出す、ふざけた感じが
愉しく、曲の冒頭から音楽に乗せられている。

最近日本では非常灯がスミマセン灯に化けていてホントに危険を知らせたいとき、
用をなさなくなっていてもどかしい。灯火もだが警笛もいっそもっと色んな表現の音
が出せればと、いつも思う、変人かもね。最近の自動車はマスクをする今の人々より
冷たく無表情なデザイン・・・・とも。歯をむき出したようなバン!目を吊り上げた
ようなセダンの前照灯!イジワル時代か?。100年前のパリの街はきっと今より
人懐っこく面白かったと思う。
ところで、今回、指揮する前に刺激を欲しくて見つけたユーチューブで征爾さんと
ベルリンフィルの映像を見つけ超感心した!!メンバーは何処ぞのニューヨークフィル
など目じゃない!ニュアンス。野外コンサートで気持ちものびのびだったのか、
メンバー皆んな余裕があって素晴らしい。そのうえ、指揮棒無しの小澤さん
(此の頃から健康に問題があり手が広がり難くなっていた)本当に音楽的な指揮が
天下一品だった。
大フィルも良い音のシンフォニーホールで気持ちよくのびのび演奏出来たかな。
でもでも、ゴールデンウィークのすぐ後のせいか・...寂しい人数のお客さん・・・・
そんな中今日、最も素晴らしかったのはコープランドのクラリネットコンチェルトで
のダニエル・オッテンザマー。すらりとした身体から、世にも美しいPPでの大陸の平野
の荒涼とした浮遊感と、スィング系が多用されが微妙に品が良い都会的ジャズリズム
が無理なく同居した音楽が醸し出された!それこそコープランドの真骨頂!
ハイ、彼はあのエルンスト・オッテンザマ―さんの息子。生粋のウィーン人。
エルンストさんは名古屋で以前僕のピアノでシューベルトの作品を協演した思い出も
あり、そのまま東海学園大学のアマオケの第九に参加してくれたチャーミングな名手
だった。ダニエルは演奏中のマインドコントロールが、父親より一枚上手なのか、
どんなに難しいところでも心には平穏があり、井上は指揮しやすい事この上なかった。
少数精鋭66444の弦だけの大フィルも少数精鋭なお客さんにピタリで一流な結果。
・・・・・・・・・・ブラックな誉め方か。
コープランドもユダヤ系。パリで学んだアメリカ人。

後半にも独学の作曲家二人そして人の繋がりが。

大栗裕さんは朝比奈さん若かりし頃の大フィルのホルン奏者だった人。作曲は独学!!
こういう曲は恥ずかしがったりしないで、コテコテに演奏して、郷土愛を大フィルに
表現してもらおうと奥さんが大阪生まれの道義、関西弁風(出来ない)指揮を試みた。
近年、日本中いや世界中、子供どころか大人達も、み~~~~んな街でのお祭りから
遠ざかり、身近な踊りから遠ざかっているのは何故なんだ。み~~~んな
ディズニーランドやスマホゲーム。実際以前から俺が指揮をすると踊るような
指揮とか、誉められているのか馬鹿にされているの判らないことを言われる
(除くブルックナー系音楽)が、歌も踊りも音楽もそれぞれ日常生活の一部では
ないと言うのか?不要不急とさえ言われる。食べる事、飲む事、歩く事、見る事、
考える事、怒る事、悲しむ事、人と話す事、み~~~んな不要不急か?
これらすべて毎日が、生まれる事と死ぬ事と同じだけ大事な事ではないか。


伊福部昭さんが言っていた。
「私はアイヌ音楽に影響を受け、それらを音楽化しようとしていません!」
「私の近くにいたアイヌの人たちが、何かあると集まり、ひとりで又共に
歌い踊り祈っていたことに共感したのです、それを自分のものにしたかった
のです」と。
まだ日本の70%が農業であった時代の音楽。人々の分断も(今より)なく、
人々地面と土の近くで生活を(今より)して、互いが(必要以上に)平等で
なくとも話せばわかりあえる、家に鍵もなく(今より)安全だった時代の音楽。
大フィルメンバーも心は平静に、しかし道頓堀に飛び込むように楽しい勇気を
もって毎日音楽をする事が、出来る事を祈ります。
エッ?汚い?ケガする?怒られる?死にたくない?泳げないだけだろう!
本当は練習場をダイナマイトで爆破したい? やったらノーベル賞貰えるぞ。
・・・・・・・・・・・・・ブラックでしょう!!

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「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

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