どりーむコンサートVol.124 悲運が生んだ奇跡 プロコフィエフ名曲選

2023.02.04
府中の森芸術劇場 どりーむホール
午後 2時開演(午後 1時15分開場)

プロコフィエフ :
 ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 op.19 / 服部百音[Vn]
 バレエ音楽「シンデレラ」より~井上道義セレクション~

日本フィルハーモニー交響楽団

チケット: S席 5,500円 A席 4,500円 シルバー席 2,500円 青少年席 2,000円
演奏会お問い合わせ先: チケットふちゅう TEL:042-333-9999

【道義より】

悲運が生んだ...他人事だからこんな題名をコンサートの
キャッチコピーに名付けてしまうのだろう、ちょっと罪深いが、
人の浮世はこんなもの。例えば服部モネが腱鞘炎になって、
弾けなくなった、俺が癌になって振れなくなった、例えば
日フィルの、例えばウィーンフィルの例えば北朝鮮の楽団の
誰かの家族や自分に、予想もつかない「不幸が降りかかったり
したとき、人は実はそこでこそ人間の価値を問われる、うまく
いっている時ではないのだ」・・・
このことは酔っ払いで人非人とさえ思えた僕の父親が漏らした
名言だ。


今日日本フィルは忙しいスケジュールの中、最大の集中力で
「灰の女の子=ゾールシュカ=シンデレラ」とモネのすばらしい
演奏力と魔女的佇まいからの彼岸と(悲願ではない)俗との
行ったり来たりに触発されてのコンチェルトを演奏(伴奏でなく)
をした。寒空に集まったこのプログラムにしては意外に一杯な
ホールのお客さんたち、午睡もせずに聞き耳頭巾だった。

ジジイもオペラの後尿管結石で痛かった数日が嘘のように去り
50年前桐朋学園の下級生だった安良岡ゆうちゃんの、絵で
描いたような日本の家族「...畳にこたつ、着物の優しいお母さん、
学者で新聞が常に横にあったお父さん、天体望遠鏡で空を見る
小学生だった弟(今では名の通った作曲家で教育者)と美人で
頭の良かったお姉さん」の住んでいた府中、免許を取りに通った
府中、の古めになってきたしかし音の良いホールで往復は、
走馬灯のごとしだった。

モネはこれからみんなの心に住み着いていくバイオリニストに
なると保証する。俺の中にはもう住み着いてたヴィールス?か
もね。


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Schedule

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