武満徹:地平線のドーリア―17人の弦楽器奏者のための
武満徹:アステリズム―ピアノとオーケストラのための/北村朋幹[Pf]
クセナキス:ノモス・ガンマ
ラヴェル:ボレロ
札幌交響楽団
チケット: (SS)¥7,000 (S)¥6,000 (A)¥5,000 (B)¥4,500 (C)¥3,500 U25割(B,C)1,500円
演奏会お問い合わせ先: 札幌交響楽団 011-520-1771
一日目は5時から、2日目は1時からのコンサート。今回色んな不思議な良い偶然が
演奏全体にプラスに働いた。以下長文になった。
①まず結果的に札響で60数回も指揮したコンサートの後半は、多くが12月15日周辺の
「キタラのクリスマス」という、必然的に色物?と言われそうなコンサートが多かったの
で、例えばダンスを加えたり、照明を加えたりの積み重ねがあった。12月は第九に忙殺
される日本のクラシックコンサート環境=これは明らかに僕がNHK教育テレビで、80年~
90年に「第九を歌おう」という番組をシリーズで作り、好評だったので再々放送まで
あったりしたのが原因の一つだからブーたれてはいけないが行き過ぎた=ので、雪が
降り始める美しい時期のキタラホールで毎年創意工夫を重ねられたのは僕にとっても、
きっと札響にとってもオアシスだった。
結果、僕にとって記憶の後半=近記憶はキタラという環境の中での札響だったから
自ずと、ワインヤード型の祝祭的な音楽が似合うアコースティックの作品を選んできた。
そう・・だから、ベートーベン、ショスタコーヴィッチ、ピアノコンチェルト等・・・
(今回の武満、アステリズムはピアノに蓋を使うなという指定があるから文句な
くピタリ!)・・・は避けてきた。 東京ならサントリーホールも同じ。
②武満徹さんの札響愛は、彼の異常なまでの詳細な指定、スコアも美しくかっこよく見え、
演奏は、技術的に研ぎ澄まされてなければならない80~90年代の「現代音楽」の
大衆を相手にしない姿勢、明らかに世界中の作曲家達も「世界最先端を相手に」の姿勢
をあらわにしていた時代の、潔い態度の楽譜が、「そんなことヤラナイでもっと普通
に書いてよお」という開拓精神とは向かう方向が逆さのクラシック音楽界の「普通の」
演奏家たちにメンドクサがられた時、時間が大都会よりゆったりと進んでいた北海道、
札幌のオーケストラメンバーが、真面目に、実直に、武満さんの研ぎ澄まされた優しさ
に付き合ったためだ。人は大切にされることを嬉しく思う。今回北村朋幹君は武満徹を
愛するあまり「アステリズム」の録音を行った。素晴らしいタッチ。武満さんが
ピアニストになったように思えた。都会人は星空を見あげなくなってしまったが
アステリズムのクレッシェンドは・・・・人気がある。フフ。僕は徹さん自身の方が好き。
横道にそれるが・・・
同じ北海道出身の伊福部昭には、この辺り、もっと一筋縄ではいかない問題があるようだ。
彼は若い頃、音更でアイヌの人たちが、何かというと踊り、歌うさまに感動し、独学で
土の匂いの中から日本の「共同農作業」を尊く感じるような平和な音楽を打ち立てた。
都会という存在を壊すゴジラ音楽は彼の若い時の、郷土愛の発露なんだろう。
そんな彼が普段から常に蝶ネクタイをしていた不思議!
しかし、人は人類の発展、とは街を造ること、建物を建てること、テリトリーを守ること、
と信じるようだ。物好きな人だけが、放牧酪農に憧れたり、自作農風な生き方で生きよう
とするいう常識が大勢だ。30年前、山本直純さんが「大きいことはイイことだ」と歌った。
今、小売店はどんどん消え去り、スーパーで全てが手に入り便利になり富士山を見るための
コンビニ?が世界中から人を呼び込んでしまった。
③クセナキスのノモスガンマ、αでもβでもなくγ!俺は癌魔とも付き合ったからこれが
誰よりもうまくなった...フフフフフフ。演奏するのも指揮する人も、緊張する曲だが、
究極のいい加減にも成り得る自由さが面白いともいえる。この曲とももうオサラバだが、
初めは20代だった僕はミラノスカラ座でこれを指揮した。カルラフラッチという美しい
バレリーナも居た。シルビアサルビニアーノというほれぼれする個性的なダンサーも。
確か同時にリゲティーのロンターノも振ってキリキリ舞いだった。リゲティーでは本番で
ちょこっと振り間違えたのをクラウディオアッバードにバレて、この人なんで判るんか
恐ろしいと思ったが・・・きっと彼はクセナキスは振れない、振らない、と思う。
あんなに世話になったクラウディオ!本当に良い人だったけれど、僕には彼の音楽が一度も
面白かったためしがなく(コンチェルトは別)その頃僕のマネージャーだった
アダフィンチおばあちゃんも「良い指揮者のオペラはつまらない」と言っていたのを
今思い出す。ふふふ、今年振る井上最後のオペラ、ラ・ボエーム・・・きっと上手くいく。
アンコールの特殊な土俗的セッティングでの「ボレロ」は繰り返しだ。これも恐ろしく
沢山振ってきた。振り納めだった。
永年やってくれたキタラの照明の岡田さんの力が大きかった。その彼とは僕がピエロ役で
指揮し、踊ったモーツアルトの「コロンビーナとアレッキーノ」以来の積み重ねの結果
だった。LOVE YOU.
最後に全裸になりたかったが5年程生き過ぎて凸凹皺皺。 やめておいた。
テレビでクラシック、それもオーケストラ音楽がそのまま伝わるかというと・・・・それは無理と言い切る。
【NHK/Eテレ】クラシック音楽館 / N響 第1849回 定期公演
一杯のお客さんに囲まれた昨日は、本当の意味で正直に、大フィルの持つものすべてが表現された音楽会だった。
大阪フィル《創立70周年記念》第50回東京定期演奏会
今日はさらにいい演奏になる と思うのが人間の原点。でも良い演奏という基準はなんだ?
N響 第1849回 定期公演 Cプログラム
一杯のお客さんに囲まれた昨日は、本当の意味で正直に、大フィルの持つものすべてが表現された音楽会だった。
大阪フィル《創立70周年記念》第50回東京定期演奏会
武満さんは、作曲家。死んだ後も続く強く存在!そう再確認した一日だった。
新日本フィル #568 ジェイド≪サントリーホール・シリーズ≫
2023年12月 4
2023年11月 1
2023年10月 3
2023年9月 1
2023年8月 3
2023年7月 2
2023年6月 5
2023年5月 5
2023年4月 2
2023年3月 3
2023年2月 1
2023年1月 3
2022年12月 7
2022年11月 3
2022年10月 1
2022年9月 3
2022年7月 4
2022年6月 1
2022年5月 6
2022年4月 3
2022年3月 6
2022年2月 5
2022年1月 5
2021年12月 4
2021年11月 5
2021年10月 4
2021年9月 3
2021年8月 2
2021年7月 5
2021年6月 6
2021年5月 3
2021年4月 2
2021年3月 5
2021年2月 3
2021年1月 3
2020年12月 5
2020年11月 3
2020年10月 4
2020年9月 2
2020年8月 2
2020年7月 4
2020年6月 2
2020年4月 3
2020年3月 5
2020年2月 1
2020年1月 2
2019年12月 3
2019年11月 4
2019年10月 2
2019年9月 3
2019年8月 2
2019年7月 5
2019年6月 5
2019年5月 5
2019年4月 4
2019年3月 5
2019年2月 4
2019年1月 3
2018年12月 6
2018年11月 3
2018年10月 4
2018年9月 4
2018年8月 1
2018年7月 1
2018年6月 3
2018年5月 5
2018年4月 4
2018年3月 8
2018年2月 12
2018年1月 6
2017年12月 11
2017年11月 4
2017年10月 6
2017年9月 9
2017年7月 6
2017年6月 4
2017年5月 7
2017年4月 2
2017年3月 4
2017年2月 4
2017年1月 2
2016年12月 6
2016年11月 8
2016年10月 1
2016年9月 2
2016年8月 3
2016年7月 8
2016年6月 4
2016年5月 8
2016年4月 5
2016年3月 4
2016年2月 5
2016年1月 5
2015年12月 8
2015年11月 5
2015年10月 6
2015年9月 11
2015年8月 2
2015年7月 3
2015年6月 8
2015年5月 5
2015年4月 6
2015年3月 8
2015年2月 2
2015年1月 8
2014年12月 1
2014年11月 4
2014年10月 4
2014年9月 4
2014年7月 1
2014年6月 1
2014年5月 1
2014年4月 10
2014年3月 4
2014年2月 1
2014年1月 6
2013年12月 1
2013年11月 2
2013年10月 1
2013年9月 1
2013年7月 1
2013年6月 1
2013年5月 1
2013年4月 2
2013年3月 2
2013年2月 1
2013年1月 1
2012年12月 1
2012年11月 1
2012年10月 1
2012年9月 1
2012年8月 1
2012年7月 1
2012年6月 1
2012年5月 1
2012年4月 1
2012年3月 1
2012年2月 1
2012年1月 1
2011年12月 1
2011年11月 1
2011年10月 1
2011年9月 1
2011年8月 1
2011年7月 1
2011年6月 1
2011年5月 1
2011年4月 1
2011年3月 1
2011年2月 1
2011年1月 1
2010年12月 2
2010年11月 9
2010年10月 3
2010年9月 12
2010年8月 2
2010年7月 3
2010年6月 3
2010年5月 8
2010年4月 6
2010年3月 5
2010年2月 2
2007年12月 6
2007年11月 8
2007年10月 4
2007年9月 8
2007年8月 2
2007年7月 4
2007年6月 2
2007年5月 4
2007年4月 1
2007年3月 3
2007年2月 2
2007年1月 3