井上道義指揮 NHK交響楽団演奏会 ヴァイオリン:服部百音

2024.06.30
大阪府 : フェスティバルホール
午後 4時開演(午後 3時開場)

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ショスタコーヴィチ : ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品77/服部百音[vn]
ロッシーニ : 歌劇「ブルスキーノ氏」序曲
ショスタコーヴィチ : ヴァイオリン協奏曲 第2番 嬰ハ短調 作品129

NHK交響楽団

チケット: SS席:¥11,000 S席 :¥8,800 A席 :¥6,800 B席 :¥4,800 BOX席 :¥13,000 バルコニーボックスS席:¥17,600 バルコニーボックスA席:¥13,600 ※バルコニーボックスSとAはペアチケットでの発売の為2名様分のチケット料金です。
演奏会お問い合わせ先: キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00~18:00 日・祝日休み)

【道義より】

まずは大阪、、でのお客さんは、好きな「お得感」があったコンサートだったと思われ
ます。ふふふ
何故かというとモネちゃんが特に初めてだった2番のコンチェルトでの極度の緊張、
サントリーでのCD録音も含めた2時間のゲネプロで、前2日のセカイテキタコケンイ
道義じいじ、との命を懸けた歯に衣を着せない互いのせめぎ合い、やり合い、の後の
心労、あの細腕の疲労の蓄積、とオケの音が聞きにくいサントリーの舞台上の音響
環境、等の悪夢のような重圧での初日の(後述)が、フェスティバルホールという
ショスタコには、指向性と残響の環境が理想的な上、短い30分だけという旅先での
ゲネプロ後での2日目という多少の心の余裕があったからです。(彼女の腕は悲鳴を
上げていたが)

文字通り満員満杯の大ホール、小さな楽器バイオリン、細い身体条件、なんてなんの
事?と思われるほど、ビシビシと激しい作曲家への同感に裏打ちされた直球を投げ続け
ました。その激しさの1面か何と!最後の最後にあり得ないタイミングで弦が切れ、
コンサートマスターのマロさんの楽器を一瞬のうちに手渡され彼の楽器の素晴らしい音
さえ一瞬で引き出し、よい意味で「忘れられない事件」として2700人のお客さんの
記憶に残すことになったからです。道義は、あの時、無理やり続けるかやり直すかという
一瞬の判断の分け目で後者を取りましたがそれはモネが「何かあったらやり直すから」と
宣言していたせいでもありました。
彼女との共演では以前も肩当てが落ちたこと1回、弦が切れたこと1回と、いつも何か
が起こる。

翻ってサントリーホールでの1日目、
前半の1番のコンチェルトではN響が幾つかのシンフォニーで道義と重ねたショスタ
コーヴィッチの色彩感、音型の隠された意味、戦闘と遊びの交錯、ユーモアと皮肉の
微妙なせめぎ合い、高度なアンサンブルが表面のなだらかさに収斂させないアクセント
の扱い、等を覚えていてくれて、前進し切り込むソリスト(服部百音にしか出来ない)
(特にカデンツアでの完成度!!詩情!!世界一)に一歩も負けず果敢に細心の注意と
勇気をもって文字通り競演してくれた!!全く伴奏なんかではなかった!
2つのコンチェルトを素晴らしい結果でやり遂げたモネちゃんは珍しく舞台で感涙!!
そして素直に両手を挙げて喜んだ。そりゃそうだ。どんなにすべての力をこの日に
注ぎ込んできたことか!

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2日目
今日、新しくなったフェスティバルホールでのN響の出演は初めてだった!!
是非これからも数多くこの喜ばしいホールに来るべきだ。
戦後関西に世界的なホールを建て日本でいち早く国際フェスティバルを主催して
きたフェスティバルホール(もちろん今のホールと安易に比較するのは野暮だ)
良い意味でのエリートの先見性に満ちていた大阪の真骨頂なのだから。
彼岸に居る村山美知子さんや彼女の父親にもよろこんでいただきたい。
朝日だ、読売だ、NHK だという時代はではない。適材適所。
それにタコにはココが一番!

間奏曲扱いで入れた、ロッシーニはショスタコーヴィッチが生涯愛した作曲家。
2番のコンチェルトにテーマがそっくりな心浮きたつ曲。多分ニューヨークフィル
とかシカゴとかだと上手くいかなそう!ふふふ。練習沢山しないと愉しさというのは
悲しさや辛さより結果を出すのが難しい。今回譜面台を叩くというので演奏前に
神経質になった面もあるが、N響の今のポジティブな若々しさをお客さんは素直に
喜んでいただいていたようだ。

2番があまり演奏されないのは、celloコンチェルトと同様な理由があるようだ。
演奏することもむつかしいのだが、何を描こうとしているのかを演奏家側が自分の
普通の引き出しから見つけられないからだ。
晩年病気だったドミトリーの心情を、友人なら判ってもらえると思って書いたとしか
思えない。
夢とか希望のない世界にも音楽があることを書かずにいられなかったとしか
思えない。
この辺、今回のソリストと指揮者は両者、苦しい入院が続いたので共感できそうに思ったが
そうは問屋が卸さなかった!片や文字通りもう本当に終わりたい一心の素人音楽家、
片やなんだかんだ言ってもね、若さいっぱいの天才プロ奏者!表現方法で一歩も引かけない
(引けないのではない)・・・練習中も人目も気にせず遠慮のないぶつかり。
道義ジジイの心はささやく。本番のあそこで弦が切れたのは、カデンツアの後、更に生き急
ぐモネの尻に鞭を入れず、興奮と充実の両者を欲張る「指騎者」が立ちはだかったため文字
通り・・・「キレタ」・・・のだと。


生きていく人に無限大な未来を。


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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂
「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

Schedule

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「僕の人生、音楽だけではないが、正面から指揮をやってきたらこれほどの発見があったことに驚いている!」

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