井上道義 ザ・ファイナル・カウントダウン Vol.4 ~道義×大ブルックナー特別展×大阪フィル~

2024.07.07
大阪府 : ザ・シンフォニーホール
午後 2時開演(午後 1時開場)

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〈ブルックナー生誕200年記念〉

モーツァルト:交響曲第25番 ト短調 K.183
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノヴァーク版)

大阪フィルハーモニー交響楽団

【井上道義 よりメッセージ】――――――

 昔、真夏はコンサートが出来なかったものです。何故って冷房が無かったから!それに、基本石造りの教会で一生活動したアントン・ブルックナーは、自分の作品が東洋の湿気に満ちた真夏の空気の中、長々と座わって聞いてくれる人がいるなんてこれっぽっちも考えなかったに違いありません。でもそれこそ文明が進み?グローバル化が進み?冷房機械音も全く聞こえない環境で彼の交響曲が聴ける、というのはやはり何とも素晴らしい。寿司を真夏に食べられるのに等しい出来事。さらに小さな再生装置で、今やどんな曲でも無料で聞くことさえできる世の中だ。

 でも、本当のブルックナー音楽の体験は、きっと一生のうち何回か、聞く人が本当に求めている時に、、、いやきっと考えもせず求めもしない、偶然聴いた名演!での感激でその人の宝物になると思えます。遅咲きだった朝比奈隆と、戦後の平和の中で私が通って来た道は180度違うと思えますが、同じような得難い刻印された時が残るように僕自身も祈っています。

井上道義

チケット: A 8,000円 B 6,000円 C 4,000円
演奏会お問い合わせ先: ABCチケットインフォメーション Tel: 06-6453-6000

【道義より】

コンサートの後、西ノ宮の病院に帰り、爆睡。もう今日かと思ったら、「まだ昨日」
だった!特異で不思議な出来事がいっぺんに起こった日なので、書き留めたい。

服部モネ企画の大阪フェスティバルの激しくも忘れられない彼女との恐演を終えて、僕は次
が続いてシンフォニーホール、大フィルだったので、東京に帰らず、ゆっくりとホテルで
体力温存、出来たらこっちの神の手カイロプラクティクに行って、坐骨神経痛を「えいや!
」と治せないかと計画していたところ水曜日午後から30年来の持病、尿路結石発作が
突然降臨?され痛くて、妻珠世の母親が亡くなった頃にお世話になったという上ヶ原病院の
院長に電話して駆け込んだ。炎症反応がひどく、入院し、木曜日の大フィルの練習はとり
あえずキャンセル、でも何とか先ほど、無事本番を終えたところ。

雲の上を歩むような数日だった。この作品そのもの!

この作品、初めて知ったのは20歳の頃だった。朋友、尾高忠明達と授業間にピアノ連弾
で色々と弾きまくっていたころに遡る。「ブルックナーはお前なんかには判るような作曲家
ではない!」と、やっかみともつかない言葉を浴びせる仲間もいたのだが自信に揺らぎの
ない、スーペリオルコンプレックスにまみれて尊大だった青年道義、「そうだな俺にはこう
いうのは単純すぎる、マーラーこそが我の住む異和感表現の世界さ」と内心ほくそ笑んでい
たのを苦い微笑みと共に思い出す。
その後紆余曲折、シュトットガルトの南ドイツ放送交響楽団でセルジュチェリビダケ先生の
この作品での終わることのない楽員罵倒練習の見学の生涯忘れられない、こちらはインフェ
リエルコンプレックスと結びついてしまった此の作品、、、22年前朝比奈隆さんが亡くな
った直ぐ後に録音したが、その頃は現実に俺は自分の実の父親問題で地面が揺り動いていた。

その朝比奈+ブルックナーの大フィル、広げればわが国のフアンの扱いはそれこそ「天皇フ
ァザコン世代の神格化と組合運動の原因になった複雑に顕在化された現象」ブルックナーを
ファザーコンプレックスと結びつけた(ついている)それら全てを一切合切脱ぎ捨てられた
「昨日」シンフォニーホールの演奏だったのではないか!

暗さ、長さ、重さ、...まるでショスタコービッチに抱く多くの人々が覚えてきた不幸な印象
に似てに一部の人々に不幸にも印象付けられている教会と深く結びついた浮遊感に付随して
どうしても付きまとう必要以上に強調される尊大さの違和感は、昨日を持って、道義自身を
含む参加者全員から払拭されたように思う。
いつの日か録音も聴くことが出来るだろうし、(きっと映像も)こんな喜ばしい気持ちは、
「雲の上を歩く想い」そのもの。


外は異常に熱い世界だし、実際「大フィル」とは言えない程のまるで大阪シンフォニー
ホールブルックナー特別編成楽団だったし、実際17歳のモーツアルトの25番のシン
フォニーは、息切れ極致の77歳ジジイは1楽章(ホルンの四人難曲をすっきりと吹いた)
だけで逃亡したのだった。


人生からの逃亡・・・も目前だ。【コウキュウなジョーク】



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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂
「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

Schedule

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