よしみちにハマった

2025.02.24

【道義より】

桜木町の上り坂(本名は紅葉坂) にある神奈川県立音楽堂70周年記念公演のモンテヴェルディ
「オルフェオ」を観た。
39257_1.jpg20代だった頃サルツブルグで初めて見て感動した経験もあるこの真の名作は、舞台で皆が演じ、踊り、歌い、演奏する人々もまだそれぞれの楽器の専門家と言われてピットに放り込まれ分断される以前の、「opera」だ。

楽器を吹きながら無理のなく素直に音楽をぶつける濱田芳通さんリードのアンサンブル
「アントネッロ」が素晴らしかった。雑な音程調音聴感覚しかないこのなまくら坊主に
とっては、曲間の調弦中キッスをしていた場面の美的な残像のせいか、それ以降何度も
待たされる楽器調整時間は長すぎる赤信号、御姑気分が湧き出たし、特に前半の
オルフェオ役の音程、又押しなべて男性陣の演技力とコーラスのもう一歩な響かせ方にも
激しくおせっかい気分が噴出、衣装(ヴェルサイユのバラみたいなムジカちゃんのおべべ?
羊飼い達だって足を見せないと!)、照明(ホールでの仕込み時間もあるだろうが・・・
映像(マッピング風)処理は特に第一幕が秀逸であったのに・・・公会堂の機材の制約がある
ならじっくり時間をかけるべき・・・)等々には無いものねだり。
でもこの音楽が持つ豊かな人間性の発露の前に霧散!春を待つ微笑みが残ったのだった。

しかしお客さんの熱狂は一体何を基準にあそこまで?
凄すぎない?どういうこと?

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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂
「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

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降福からの道 欲張り指揮者のエッセイ集
「僕の人生、音楽だけではないが、正面から指揮をやってきたらこれほどの発見があったことに驚いている!」

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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂

「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

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ショスタコーヴィチ:交響曲 第7番 「レニングラード」

大阪フィルハーモニー交響楽団

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ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」

大阪フィルハーモニー交響楽団

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チャイコフスキー:交響曲第4番
ショスタコーヴィチ:ロシアとキルギスの主題による序曲

大阪フィルハーモニー交響楽団